やっとやっと念願かなって見れた映画。アン・ハサウェイが超かわいい。こういう女の子が磨かれて、磨いて綺麗になっていく映画って大好き。黒の重ね着風ワンピースがすごくかわいかった。白のコートもよかったけど、肌がきれいでまっしろだから黒の衣装がとてもよく似合う。彼女がだんだんと仕事にのめりこんでいく過程はわからなくはないかな。むしろあんなにも理解を示してくれない友達だったり彼氏のほうが??って思ってしまうけれど、そんなもんなのか?まぁその仕事が彼女の望む仕事ではないからというのが一番の理由かもしれないけれど。メリル・ストリープの表情の演技はすごい。厳しい顔つきなのに、一気に柔らかくしたりだとか、疲れてぐったりしているのに目だけキリッとさせたりだとか。やっぱりすごい女優さんなのね。
ブラッド・ダイヤモンド [DVD]

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シエラレオネ共和国で続いたダイヤモンドをめぐる内戦、紛争。何百万、何千万という人が死に、難民化したこの戦い、巻き込まれた人のほとんどすべての人が、ダイヤすら見たことがない人ばかり。ようは、ダイヤモンドで資金を集めるRUFと政府軍、そのダイヤにたかる外部のマフィアやさまざまな組織がこの戦いを無駄に長引かせているのだけれど、主人公であるアーチャーは組織側。ダイヤモンドの密輸人。ダイヤと引き換えに武器を渡す。そんな彼が一つの大粒のダイヤをきっかけにソロモンと出会い、彼の家族を探すことを条件にそのダイヤを手に入れようとする。ソロモンの息子への愛情がすごい。親はこんなもんだって言われたらそうなのだろうけれど。息子を助けに行かなければ、もっと情けない父親になる。RUFにとらえられ少年兵にされた息子ディアを必死で救い出そうとするソロモンの表情がなんともいえない。また、様々なバックグラウンドを抱えてダイヤの密輸をしているダニーが、記者であるマディーにだんだんと心を許していく姿が切なくて素敵。この二人、最後までキスすらしないんです。ハリウッド映画にしては珍しく。少年兵に対する兵士教育がすさまじい。目隠しをして銃を撃たせると、実はそこには人が立っていて知らぬ間に人を殺しているという状況を作り上げる。小さな子どもが、その事実に心を砕かれないはずがない。親は死んだと何度も言わせる洗脳ぶりや、薬や酒、たばこを与え、銃の撃ち方を教えRUFという組織に依存させていく。ほかに行き場はないと信じ込ませる。またRUFの一般人に対する残虐ぶりがひどい。とらえた男は鉈で腕を切り落とし、女はレイプし、子どもは兵士に育て上げる。これが現実に行われた蛮行だというからなおのこと酷い。娯楽映画だとばっかり思っていたら驚くほど真面目に真摯に取り組んだ映画でびっくりした。事故現場を必死に写真におさめる記者連中と、子どもを抱き上げるソロモンとの対比が象徴的。
スマイルBEST ツォツィ スタンダード・エディション [DVD]

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こちらは南アフリカ、世界で一番危険な町と言われるヨハネスブルグのスラムが舞台。確か犯罪発生率が150%だとか。つまり絶対1度は何がしかの犯罪に巻き込まれ、そのうち半数が2度目の犯罪に巻き込まれる。日本の110倍とも言われているらしい。そんなスラムで、ツォツィ(南部ソト語でチンピラという意味だとか)と呼ばれる少年が車を盗んだ拍子に赤ん坊まで盗んでしまう。当初は置いていこうとするが、なぜか放っておけず彼はそのまま家へと連れて帰る。どうしていいかわからず紙袋の中に隠してつつ、おむつを替えたりコンデスミルクをあげてみたり、四苦八苦する彼の姿が微笑ましい。徐々に赤ん坊に愛情を抱くようになった彼は、近所の女性の手を借りて彼女を育てようとするが、赤ん坊を大切にすればするほど、この子には本当の親が必要であると気づいていく。正直、彼はただのいい子では全くないです。罪を犯すことは生きること、生活していくことと同じ意味である彼にとって犯罪=仕事、お金を得る手段だからこそ、切っても切り離せない。それでも彼は彼なりに、彼のやり方で徐々にいろいろなことと向き合っていく。当初は銃を向けて命令することでしか相手にものを頼めなかった彼が、次第に言葉を使い、お礼をいうようになっていくその過程が見ていてなんともいえない気持ちになる。正直、悲劇といえば悲劇なのだと思うけれどうちは、この映画のラストに小さくてもしっかりと希望を感じることができた。
陰謀の報酬 [DVD]

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上記2つの映画をみたあとのこれを見ると頭がいい具合に休まる。イギリス英語のアクセントが大好きなのでこの映画は見ているだけで楽しい。音声だけでも楽しめるはず。映像はTHE ENGLANDなものばかりでさすがBBCと思わずにはいられない。BBCだからこそのクオリティ。ハラハラ感の出し方や最後の決着のつけ方なんかもまあまあ楽しめた。
ハート・ロッカー [DVD]

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棺桶だとか、行きたくない場所とかいう意味の隠語だそうです。最初に出てくるwar is a drugにすべて集約されてるのかなと。主人公であるジェームズ軍曹は873個もの爆弾を処理してきたスペシャリストでブラボー隊の班長でもあるが、同じ隊のサンボーンの応答を無視したり、交信用のヘッドフォンを勝手に外したりと案外自分勝手に仕事を進め隊の人間を危険にさらすものだから当然反感を買う。どういったらいいのか。彼は、生きているという実感を戦場でしか感じられない異常者ではあるだろうし、またほかの人間は人間で、ひとりひとりが普通の人間であるという(死の恐怖におびえまくるエルトリッジとか)ことを妙に強調されている。その一方で爆弾処理をし、テロリストと”戦っている”はずの彼らの行為が侵略的であるかのような住民の眼差しだとか、戦車で道路を走る際の横暴さだとかの描き方は淡々としている割に、冷たい。ベッカムという少年をかわいがるジェームズの行為が結局のところ、侵略する側とされる側の上下関係から生じた自己満足的な行為であったり、一度キャンプを出たら入ることすら容易ではない(だからこそ、現地の人間との触れ合いなどほぼゼロに等しく彼らは狭い小さなテリトリーで仲間内だけの閉鎖的な関係を作り上げる。現地の言葉など学ぶ機会もなく、また学ぶ必要などない環境)。すべての人間が怪しく見え、すべての行為に意味があるように見える。だからといって疑うことをやめれば、あっさり死んでしまう世界。でも、そこでしか生きられない人間もいる。だから戦争はなくならないのか、だからこそ戦争をなくさなければいけないのか。