かいじゅうたちのいるところ [DVD]

かいじゅうたちのいるところ [DVD]

Where the wild things are 有名な絵本をスパイク・ジョーンズが映画化。序盤でのマックスが感じる疎外感というか、世界に嫌われているような感覚、みんなといるのに一人だと感じるその時の表情が絶妙。遊んでくれない姉や、自分のことに一生懸命な母や、家にいない父、そんなもろもろの鬱屈が爆発した彼が家出してたどりついたかいじゅうたちの暮らす島で、彼は自分と同じような感覚を抱えているキャロルと出会う。みんなといるのにバラバラになっていると感じ、さらにこれ以上バラバラになるのを恐れ、嫌われるのを怖がり、そうなる前に、嫌われる前にそれを壊そうとする彼の弱さ、子どもっぽさに、同じように子どもであるマックスには解決方法を見出すことができないシーンが切ない。誰かに対して贔屓したりする王様を責めるジュディスのセリフになんだかはっとさせられた。王様ではないから仕方ないと許すほかのかいじゅうたちの大人っぽさと、キャロルの子どもっぽさ。表現がへたくそで怒りをただものに当たることでしか表現できないキャロルとマックスの対比が上手。砦をつくる場面での単位のかわいらしさや彼らの生き生きとした感じがあるからこそ、ラストは切なさをもって受け止められる。素敵な映画。