本日は大安なり     

本日は大安なり    

久しぶりの辻村さん。辻村さんの本は新書と文庫を何冊か持っているのだけれどいまだに未読。早く読まねばなあ。ただ今のところ読んだ感想はいまいちなものが多いのでちょっと期待がなあ。以前は読んでなくても誰かの感想を頼りに青田買い的な感じで本を買っていてその名残りがいまだに本棚にある状態。さて本書。なんとなく借りた一冊なのでさほど期待値が高いわけではなかったのだけれど、それでもまあこんなもんかという感想になってしまって残念な感じ。どんでん返しを待ってみたものの予想を超えるオチはなく。ふむ。大安のある日に格式ある結婚式場を舞台にその日一日に起こったことを視点を変えながら進んでいく。テンポよくキャラクターや文章で目先が変わるので読みやすかったけれどそれぐらい。面白いから最後まで読めたのだけれどミステリーチックな進め方のわりには落としどころがいまいちかなぁと。ただ、ウェディングプランナーの人の話はよかった。双子にはついていけない。一番いらっとしたのは陸雄。なんでもかんでも人のせいにしてんじゃないよいい年してって思ってたから最後のはすっきりっちゃすっきりかも。でも綺麗にまとめすぎかもね。(2012.3.9)伊藤たかみは案外好きかもしれない。白旗アパートが結構好きだったわりにほかの作品にはいまいち食指が動かなかったのだけれど少し気になっていたこの本を手に取ってみた。下井草を舞台にした連作短編集。セージと知加子は最初どうなるかと思ったけれど読んでいくほどにかわいくなってくるから不思議。喧嘩したあとの携帯やらメール、知加子の気持ちが痛いほどわかる。ネガティブになってるからこそドンドン落ちていく感じが。服の趣味とかでわかった気になっちゃうセージがかわいいような小憎らしいような。でも、理解してくれてる感じは好きなんだよね。理解しきった感が嫌なんだなたぶん。この二人に限らずサッチの風の奥さんも素敵だし、最後のお話も好きだった。全体的に好印象。また違うのを借りてみよう。(2012.3.10)
リアル・シンデレラ

リアル・シンデレラ

これ好きかもしれない!姫野カオルコの文体、しっくりきだすとぐいぐいハマってしまうな。くせになる感じ。倉島泉という女性の関係者へのインタビュー、取材をもとに構成したという設定だからなのか、なのになのか、倉島泉という女性がくっきりと浮かんでくる。何か一つでも話したらボロボロ全部が繋がっちゃうそうだけれど何かを話したところでネタバレというのとは少し違うから話していいような気もするけれどひとつのピースを話すとやっぱりどうしたって全体が出てきそうで悩む。ぐだぐだと書きましたが、倉島泉が屈託を抱えていた時のエピソードとか、母親の態度とか、周りの人の彼女への対応とかそういったものが読んだ後にぐわっと来てしばらくじっとしてしまった。久しぶりかもなそういうの。こんなにも強くて綺麗な女の人はそうそういないだろうし、こんなにも綺麗な女性をくっきりと描ける姫野カオルコがすごい。(2012.3.14)
三つの名を持つ犬

三つの名を持つ犬

ううーん。なんだかんだ誰かのせい何かのせいにしつづける二人はある意味お似合いなのかも。最後のオチは綺麗にまとまっててよかったのかな…?特に感想もなくへえで終わった。近藤さん最近こういう裏社会的なものが好きなの?砂漠の悪魔でもちらっと思ったけど流されやすいハマりやすいうえにすぐ逃げ出す系の男の子が多い気が。まあ多いっていっても読んだのまだ二冊目だから気のせいか?(2012.3.14)