薔薇を拒む

薔薇を拒む

久々の近藤さん。洋館、美少女、美少年、何かありそうな人々、複雑な親子関係と、これでもかっていうぐらい本格要素満載のお話。オチは大したことない。近藤さんのお話は謎解きとかを読むよりは雰囲気を読む物語だなと思った。さくさく読めるし読みやすいんだけれど案外人物の描き方が浅いときがあるよね。画一的?というか。でもおもしろく読めた。
エルニーニョ (100周年書き下ろし)

エルニーニョ (100周年書き下ろし)

中島さん。やっぱりこの人はおもしろいなぁ。さしはさまれるちょっとした物語があまりにも贅沢で、それと絡まりあうようにすすむ、テルとニノの逃亡劇もかわいらしい。雰囲気、文体、すべてが好き。オチもよかったなぁ。この人は期待をいい意味でうらぎってくれる。
ひそやかな花園

ひそやかな花園

角田さん。うーん、やっぱりこの人うまいんだなぁ。圧倒的に上手い。最初の入りは大して興味をそそられるものでもないのに、なんだか引っ張られるように読んでしまう。徐々に関係性のおかしさが浮き彫りになっていき、そして唐突にぷつんときられた糸は偶然を装った形で運命的につながっていく。それぞれの心の中にあのキャンプが確固としたものとしてあった理由は様々で、だからこそ、彼らの個性がすうっと浮き上がる。母親と娘の関係、友達同士の中に出てくるちょっとした諍い、ネガティブな感情。そういうものを意地悪だけれど確固とした言葉で表現するのがこの人は本当にうまいなぁ。やっぱり角田さんが好きだなぁっと思った一冊でした。
勝手にふるえてろ

勝手にふるえてろ

ネタばれしてますよ。初めての綿矢さん。読みやすいというかテンポのいい文章を書く人ですね。ただ、イチは彼氏じゃないよね?妄想の中での彼氏って意味?最初の文章でわたしには彼氏が二人いるって書かれたからどんな内容かと期待したらイチは単に同窓会してそのあとちょっとみんなで飲んだ程度の仲、しかも不幸なことに名前すら覚えられていないっていう。THE不幸な女だけれど、会社の人間、二にはなんでか好かれている。まぁみんな言ってますけどオチ唐突すぎる。結局あんだけぼろくそいってても、自分から離れたのがさびしかっただけだろうって感じですが…。ニの魅力がまったく伝わらないよね。それにしても主人公イタイ子だなぁ。
ひなた

ひなた

ううーん。ふつう。
波打ち際の蛍

波打ち際の蛍

痛々しいお話。全体的な雰囲気は覚えていても具体的な部分は覚えていない。さくさく読めたしそれなりに面白かったのだろうけれど特別印象に残るシーンも浮かばず。大体の島本作品に共通している感じのお話でした。