横道世之介

横道世之介

たぶん今年読んだなかでベスト3に入るくらい好きだ。なんだかものすごく救われた。この本を読んだことで、世之介と出会えたことでいろいろなことが、すんなりと自分の中におさまって、気持ちがものすごく救われた。読むべくして読んだ本だったんだろうな。内容は、大学生の世之介の最初の一年と、彼の周囲の人々の何十年後かがぽっと挟まる感じで進んでいく。色々なことに感動したりぼんやりしたり打ちのめされたりしながら成長ともいえない成長をしていく世之介がびっくりするほど身の丈で等身大でびっくりする。たまにちょっと背伸びするけれど、それだって好きな人に対してかっこつけたいっていう程度でそれ以外の彼は驚くほどまっすぐですんなりと19歳の男の子なのです。そして彼のいいところは、決して人を悪く言ったり嫌ったりしないということ。高校時代から変な変りかたしちゃった友達とか、元カノとか、いろんな人にたいして、彼は絶対ネガティブなイメージをもたずその人を”その人”としてとらえる。それって簡単で実はかなり難しいと思う。帯にも書かれていたフレーズが、読後で本当にそうだなぁと思わせる、そんな話でした。

誰かを傷つけたことがないんじゃなくて、傷つけるほど誰かに近づいたことがなかったんだと

あのとき始まったことのすべて

あのとき始まったことのすべて

久々中村さん。中学時代の同級生と再会して…っていう話。いい意味でも悪い意味でも中村さんって感じの話かなぁ。第一章は好きだったけど中学時代の話は読んでる間正直うーんって感じだった。でも一番覚えてるのはその話なんだよなぁ。たぶんうーんって心にひっかかるからなんだろうけれど。まぁオチというかラストはだろうと思ったっていう展開があったりした。石井さんのキャラクターが正直あまりに感情移入できず。思考回路がよくわからない。わかる部分もあるけどよくわからない。あと泣く意味がわからない。
陽だまりの彼女

陽だまりの彼女

奇しくも上の本から順に女子のキャラクターがどんどんうそくさくなっていくっていう。初読みの作家さんですが、オチどうなの。途中で気付いちゃってもうあとは答え合わせ感覚で読んだので、大して驚きもなく、ってか、むしろ読めば読むほど微妙になっていくっていう。
我らが祖母は歌う

我らが祖母は歌う

初読みさん2 おもしろい!この人おもしろいな!ただ下手にミステリータッチにしちゃったがためにオチに期待しすぎてそこはがっかりした。でも全体的な雰囲気とかは好き。文体とか、キャラクターとか。