ゾディアック


見てきました。面白かったです。ものすごくひきつけられる。170分近くあるにもかかわらず時間の長さが少しも気にならなかった。なにより監督自身が言っているようにシンプルなカメラワークだとかが本当にあったんだということを強調しているようで怖かったです。映像が怖いというよりも、こういった事件が実際にあったということが怖くてまた人が殺される場面の変なリアリティが怖くて見ている間ぞっとしっぱなしでした。一応主演にジェイクの名前がありますが、どちらかというと前半はラファロが主人公だと思います。ジェイクが活躍というか動き出すのは後半からなので。でも、ラファロの演技は素晴らしいです。初めてみた役者さんですが、失望した時の表情なんかがものすごくうまい。ジェイクは今までどおり目で感情を表現し、その感情表現の幅の広さには驚き。のめりこんでいく過程だとかがぽつぽつと小出しにされるにもかかわらずよくわかるんですよね。すごい。ダウニーも初めてみた役者さんですが退廃的な危うい感じとそのくせ目だけは輝きを失っていないその微妙な演技が素晴らしい。後半殆ど出てこないのは残念ですが、前半の登場で強烈な印象を残してくれます。地味だけれどいい役者をそろえた結果のこの出来だと思います。 それにしても、ゾディアック事件の真相が知りたくて知りたくて仕方なくなります。いろいろな謎が提示され現実的に全ての答えは出ずそれでももしかしたらと思わせるラスト。あーもやもやする!! この事件は、というよりゾディアックは、ひきつけられるとか魅了されるなんて言葉じゃなくてまさにとり憑かれるという表現がぴったりな殺人犯ですね。ううー…きになる!!!