ナイロビの蜂

ナイロビの蜂 [DVD]

ナイロビの蜂 [DVD]

見てきました。二本立てのうちの一本。最初、あえてわからないように、混乱させるように作っているらしく、もののみごとに混乱しましたが、わかってくるとどんどん引き込まれた。フライヤーのストーリー欄で語られていたような妻の愛というものはいまいちわからなかったけど、このふたりがとても愛し合っていたことはわかった。苦しいぐらいに。また話としては一度みただけではちょっと理解しにくい。完全なる悪の正体がいまいち見えてこないんだよなぁ。いや、完全な悪なんてないんだろうけど、すべてがぐるぐると繋がって、結局だれが悪かったのか。ただ、レイチェル・ワイズ演じるテッサが彼女独自のやり方でそれらを追い詰めていく部分や、レイフ・ファインズ(どっかでみたことあるとおもったら、『メイド・イン・マンハッタン』の人か!!)演じるジャスティンが妻の死の真相を知ろうと立ち向かう場面はとてもよかった。ロキへ行った時のエピソード、おなかの大きなテッサがスラムを歩く姿、そしてアフリカの赤い大地。印象的な情景が多く、胸を重苦しいものでふさがれたような気持ちになった。でも、これが現実なんだろうな。ジャスティンが、その土地の女の子をチャーター機に乗せたときにいった台詞がテッサと同じだった時、はっとした。人は変わるのだと改めて思った。そしてその言葉を聞いて、前に読んだ『砂漠』を思いだした。登場人物が、たしか、救えばいいんですよ!とか言うの。救えるなら救えばいいんですよ!!って。わたしもそうだと思った。甘いんだろうけど。最後のほうで、笑顔で駆ける男の子ふたりが映っていて、どうしようもなく泣きたくなったけど、何にもしていないわたしが泣くのはおかしい気がして我慢した。国連のありかたをはじめて考えた。地の果てで、やっと君に帰る。